自分を許す

6年ぶりに関東に戻ってからは、それまで物理的に距離を取っていた、私の人生に長期に渡り鍵となってきた人達に会い、関東にいた時感じていたモヤモヤの理由を理解するようにしてきた。子供の頃苦しかったことの理由を、20年以上の時間が経って初めて知った。こういうことをよく「大人になる」と言うのだろう。人生で乗り越えなければならない壁は誰にでもあって、私も傷を受けながら乗り越えてきたし、これからも乗り越えていく。

同時に半年をかけ、関西での人間関係も整理した。そのプロセスは、痛みを伴うものとなった。振り返り、今になって自分の気持ちを整理して表現することができるような気がする。ここにもまた乗り越えるべき2つの壁、パーソナルなものと環境由来のものがあった。

気持ちの整理にはいつも時間がかかる。1年間それまでの6年間よりも集中してたくさん本(自己啓発本ではない)を読み、絵やドラマを見て、音楽を聴き、自分も歌い、社交にはあまり時間を使わずに過ごした。色んなところにも行った。年齢、国籍、性別などの様々な属性の人と会って話した。何より、働いたし、勉強もした。仕事での成功が自己肯定感を高め、個人的感情とのバランスを取れたのかもしれない。

結論は、全てを許すことなんかしなくていい、ということだった。酷かもしれないが、親しい/親しかった人/ものでさえも許さなくていいのだ。ただ一つ、自分を許せ、ということだ。

現象として気付いたのは、
・時が経っても人の性質はあまり変わらない
・人と人との関係性は時とともに変わることもあれば、変わらないこともある
・若いとは人生において不利な立場になりやすい
・自分の心や体を守らなければならない
ということ。

若く、無知で人生力がないと、心も体も傷付き易いリスキーな選択をしがちだった。良い年長者に守られる幸運があったら、また違ったのだろうか。いずれにせよ、何を信頼するか、その信頼の根拠は何か、信頼性の順位は…今後は経験値を活かし、整理して意思決定するだろう。それでも壁は立ちはだかるのだろうから、そんな時も自分なりに納得しながら、乗り越えていくしかない。