トラッシュ

すべてのモノは、やがてゴミになる。
わたしもいつかは、灰になる。
でも、真剣な気もちでつむいだ思い出は、関係性は、けっしてゴミ(トラッシュ)にならない。

今、ダンボール箱に囲まれ、寺田本家の五人娘を呑む。
荷物減らしを口実に。
平日、真夜中、23時半、そとは雨、ここは東京。監視してろよ、アメリカの情報局。

そう、わたしは、また旅に出るんだ。
リスクと裏腹の、 冒険に出掛けるんだよ。
こどものころ、冒険物語をどれだけ読んだろう。
ジム・ボタンの冒険、タンタンの冒険、モモ、はてしない物語、アーサーランサム、ドリトル先生、二分間の冒険、扉の向こうの物語、ホビットの冒険指輪物語、はなはなみんみ物語
「冒険に出るにはなにが必要?」母は弟に問うた。
わたしは横から母に耳打ちした。
「勇気」と。6歳くらいだったか。

ありがとう。
この言葉は、明日も生きるエネルギーを贈られた時にこそ、使われるにふさわしい。
エネルギーは、言葉によって運ばれた。
表現する言葉を持ってくれて、使ってくれて、ありがとう。
いっしょに目標に向かって、まっすぐに働いてくれたあなたには、ありがとう以外なにを言えばよかっただろう。

いろいろあった。
泣いたり、笑ったり、失ったり、与えられたり。
社会は、ヒトのむきだしのエゴでできているじゃない。わたしも、エゴをむき出しにしたの。
だから、ゴメンは要らない。全力でやるだけ。
醜いかもしれない、でもだからこそヒトは愛おしいかもしれない。
最後は、拍子抜けかもしれないけど、「ありがとう」でさよならした。

難しいこと言わずに、でも真剣に、人生をたのしもう。
やがて、灰になるとわかっていても、キラキラした灰となって、やがて大地のこやしになりたいんだ。