バトン、うけとりました

梅雨明けで、暑い暑い中。
行く前にがっかりさせられる出来事もあり、出掛ける気を失くし、出発が遅れ、遅刻。
入場券コピーしようとコンビニ入るも、おじさんが楽譜を大量コピー中。
さらに、慣れない東京の電車乗り継ぎで、肝を冷やし。
あーあ、なんで土曜(休日)やのに、こんなにひとがおるん???

でも、出かけてよかった。

本日は、上野千鶴子先生の震災支援特別講演「生き延びるための思想」@東大弥生講堂を聞いてまいりました。

終始、凛として、真摯で、圧巻で。

感動的でした。

その場にいられて、先生の姿をこの目で見て聞きつつ雰囲気や、迫力や、それを感じられてよかった。入場券が運よく当たって、本当によかった。

「逃げよ、生き延びよ」と伝える上野さんが一番、自分の持った問いから逃げないし、共に生きていると思いました。

最後の言葉は、

「(フェミニズムのバトンを)受け取ってください」

でした。

上野先生、お疲れさまでした。ありがとうございました。


講義内容を自分なりにまとめてみると、こんな感じでした。

1.福島原発〜最終講義のテーマ変更背景

2. 女性学の変遷
 2.1 それは、ウーマンリブから始まった
 2.2 女性学の定義
 2.3 フェミニズムと国策

3. 上野先生の研究
 3.1 主婦とはなにか
 3.2 マルクス主義フェミニズム
 3.3 選択縁、新しい共同体、当事者主権

4. 学問
 4.1 問題とは
 4.2 学問とは
 4.3 学問としてのフェミニズム

5. 生き延びるための思想
 5.1 津波 てんてんこ
 5.2 フェミニズムは強者になろうという思想ではない
 5.3 弱者が弱者のままで生きられる社会を

以下、わたしの印象に残った点に関する所感。
1. 福島原発
冒頭、起こるべくして起こった人災である原発事故に言及。
『政府と企業とメディアがつるむとその国は滅びる(米谷ふみ子)』を引用し、

「この国は滅びへと向かっています」

と、静かに、だが、はっきりと明言された。
公の場で、はっきり言える上野先生の勇気に、わたしは震えながら、講義は始まった。
原発事故に関し、上野先生は「やっぱり」起きたかと思い、予測していたにも関わらず自分は何をしてきたのか、という深い反省に囚われたそう。その反省に、冷笑を浴びせる人もいるが、反省はする方がよい、と。それも、骨を噛むような反省が。

上野先生は、原発事故での反省や思うところがあり、講義のテーマを変更されたそう。

「人間が作ったことは人間が変えられる」という信念が、社会学者としての上野先生のアイデンティティを支えたそう。この考え方を、わたしも、覚えておきたい。


以下、講義内容抜粋。自分の中に、要熟成。

2. 女性学とは
 女の
 女による
 女のための 学問研究

 女性学は、大学の外で生まれた。民間学フェミニズムは、種をまき、担い手を作り、マーケットを作ってきた。
 フェミニズムは、女の経験の言語化・理論化。わたしからフェミニズム

3. マルクス主義フェミニズムとは
 マルクスに挑戦し、改訂を辞さないフェミニズム
 生命を生む、生命を看取る労働が、なぜ他のすべての労働の下に置かれなければならないか、その問いに答えられていない。
 上野先生がやってきたことに、はた、と上野先生自身が気づく。支配的マジョリティに抑圧された社会的弱者の自己決定権の獲得をやってきたと。→当事者主権

4. 問題とは
 あなたをつかんで放さないこと
 学問とは、伝達可能な共有の智。

5. 弱者が弱者のまま尊重される社会へ。
 高齢化社会では、誰もが人生の長い下り坂を経験する。弱者になる想像力が必要。
 Sky is the limit. 限界のない話


バトン、しかと、うけとりました。